■地盤補強工事02:くし兵衛工法
技術の概要
本技術は、スラリー状のセメント系固化材と原位置地盤を掘削撹拌することで、改良体を築造する機械撹拌式深層混合処理工法である。本工法の特徴は、共回り防止翼とその上下の撹拌翼に鉛直方向に突起を設けた独自開発の掘削撹拌装置を用いていることである。
くし兵衛工法の掘削攪拌装置
くし兵衛工法の掘削攪拌装置は、セメント系固化材スラリーと地盤との攪拌性能を向上させるために、共回り防止翼と、その上下の攪拌翼に鉛直方向の突起を複数設けたことを特徴とする。この掘削攪拌装置を用いることにより、低軸回転数、高速度での施工を可能とするとともに改良体の品質の向上が大幅に図れます。
くし兵衛工法の特記仕様
分類 | 項目 | 特記仕様の概要 | |||
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適用範囲 | 対象構造物 | 小規模建築物および工作物等(※1) | 小規模を超える建築物および工作物等 | ||
適用土質 | 砂質土、粘性土、ローム | ||||
コラム仕様 | コラム形状 | 杭状、ブロック状、壁状 | |||
コラム径 | 400~800mm | ||||
最大コラム長 | 10.0m | ||||
掘削撹拌装置仕様 | 掘削撹拌機構 | 水平方向掘削・撹拌機構に、共回り防止装置の上下に撹拌面に対して鉛直方向細断・撹拌機構を付加 | |||
掘削撹拌翼枚数(※2) | 掘削翼2枚/撹拌翼8枚(引上時:撹拌翼10枚) | ||||
共回り防止機構 | コラム径より突出した不動梁を有する共回り防止装置 | ||||
掘削・撹拌ロッド | 単軸 | ||||
施工仕様 | 施工サイクル | 1サイクル | |||
先端処理長 | 1.0m | ||||
掘削速度 | 2.0m/分以下 | ||||
引上速度 | 2.5m/分以下 | ||||
羽根切り回数(※2) | 500回/m以上 | ||||
品質管理 | モールドコア法(※3) | ボーリングコア法(※4) | |||
配合設計仕様 | 固化材配合量(※5) | 300kg/m3 | 350kg/m3 | 200kg/m3以上 | |
設計基準強度(※5) | 800kN/m2 | 1000kN/m2 | 砂質土 | 900~2500kN/m2 | |
粘性土・ローム | 450~2500kN/m2 | ||||
水/固化材比(※5) | 標準60%〜80% | ||||
変動係数 | 0.25 |
- ※1:地上3階以下、高さ13m以下、軒高9m以下、延べ面積500m2以下の建築物および高さ3.5m以下の擁壁等工作物
- ※2:引上時には掘削翼も撹拌翼枚数に算入し、羽根切り回数を設定する。
- ※3:小規模建築物および工作物等(※1)に適用する。養生期間は7日を標準とし、各検査対象のモールドコアの一軸圧縮強さの最小値が設計基準強度以上であることを確認する。
- ※4:小規模建築物および工作物等(※1)を超えるものに適用する。養生期間は28日を標準として、各検査対象のボーリングコアおよび頭部コアの平均一軸圧縮強さが合格判定値以上であることを確認し、コア採取率等の判定も実施する。(なお、工期に余裕がない場合等では、モールドコア法により予め強度確認をし、その後、ボーリングコア法による品質検査を実施することができる。)
- ※5:小規模建築物および工作物等(※1)を対象として室内配合試験を実施しない場合には、規定の設計基準強度に対して規定の固化材配合量を十分に満足するように設定する。全適用構造物を対象として室内配合試験を実施する場合には、固化材配合量は200kg/m3以上とし、設計基準強度は砂質土では900~2500kN/m2、粘性土及びロームでは450~2500kN/m2の範囲で適切に設定する。
技術開発の趣旨
本技術では、セメント系固化材スラリーと地盤との撹拌性能を向上させるために、共回り防止翼とその上下の撹拌翼に鉛直方向の突起を複数設けた掘削撹拌装置を開発している。この掘削撹拌装置を用いることで、低軸回転数、高速度での施工を可能にするとともに、改良体の品質の向上を図っている。
性能証明の内容
本技術についての性能証明の内容は、以下の通りである。申込者が提案する「くし兵衛工法 技術指針」に基づいて築造される改良体は、砂質土層、粘性土層およびローム層で固化材配合量に応じて450kN/m2~2500kN/m2の設計基準強度を確保することが可能であり、配合設計及び品質検査に用いる改良体コアの一軸圧縮強さの変動係数として、砂質土層、粘性土層およびローム層で25%を採用できる。
性能証明書
パンフレットダウンロード
くし兵衛工法のパンフレットはこちらからご覧ください。